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ラースと、その彼女

監督:クレイグ・ギレスピー
脚本:ナンシー・オリバー
出演:ライアン・ゴズリングエミリー・モーティマー
配給:ショウゲート

 アメリカの小さな街で暮らすラースは心優しき好青年。だけど極端にシャイな性格が災いして28歳にして未だ独り身。そんなラースを兄夫婦はいつも気にかけていた。
そんなある日、突然ラースは「彼女が遊びにきてるんだ」と言い兄夫婦の下へ訪れる。大喜びする兄夫婦だったが紹介された「彼女」を見て様子は一転。なんとラースの連れてきた「彼女」は等身大のリアルドールだったのだ…。



だいすきだこの映画。
気が緩むとただの変態映画になってしまいそうなところを、心を暖めるファンタジームービーに仕上げたそのさじ加減が絶妙。
悪人が一人も出てこない映画というのはほのぼのする分どこかで見飽きたような感覚や退屈する要素を持ってしまいがちなんだけど、この映画はついついのめり込んでしまう。
というのはラース演じるライアン・ゴズリングの可愛らしくて柔らかい雰囲気がかなり効いているんじゃないだろうか。というか、一気に好きになってしまったよライアン・ゴズリング。君に読む物語の時はなんにも感じなかったんだけどね。
あの笑顔にはなんとも言い難い魅力があるよー…かわいい。
とはいっても笑いのネタと可愛らしさだけでつくられている訳では決してない。
温厚なラースの抱える複雑で繊細な悩みと胸の内がリアルドールの「ビアンカ」を介して徐々に映画から漏れてくるのが分かって、後半は抱きしめたくなるような気持ちを味わわせてもらった。
でも一番だいすきなシーンは、テディ・ベアが悪戯されて泣いているマーゴを慰めるシーン。
心肺蘇生のマッサージでテディ・ベアを生き返らせるパントマイムをして「ほらこれで大丈夫だよ」と慰めるセンスはさすがアメリカ人!って感じだけどかなりキューンとした。かーわーいーすーぎーだーぁー!惚れちゃうよラース。

あぁ、とっても素敵な映画だった。